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Channel: ジョジョ好きの奇妙な日常
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【考察】パンナコッタ・フーゴについて考える その1

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アニメ21話の感想も、もちろん既にアップしています。こちら(前後編あり) 

内容的にはその続きになりますが、ほぼフーゴのキャラクター考察になってしまったのと、文字数オーバーのため別記事にしました。



アニメ20話の感想に、「裏切られたのは一体どちらだったのか」と私は書きました。

自分なりに一週間考え、答えを出しました。

ブチャラティは、自分の都合だけで罪のない娘を殺そうとしたボスを許せず、組織とボスを裏切った。
これは間違いないですね。

ではジョルノは?
初めからボスを倒してパッショーネを乗っ取るつもりで、入団しています。
元から組織に対する裏切り者です。
これも間違いないですね。

アバッキオ、ミスタ、ナランチャもブチャラティについて行きたいという理由で、ボスと組織を裏切ることになりました。
これも間違いない。

では、フーゴは?
唯一の、裏切り者でない、組織に従順な構成員です。
…そこまでは言えないか…
本当に心底組織に忠誠を誓ってたならば、ブチャラティの裏切りを確信した段階でブチャラティたち全員を、刺し違えてでも殺さねばならなかったでしょう。
そうではないことを、彼らも我々も知っていますよね。
フーゴだって、心は組織でなくブチャラティ個人に忠誠を誓っていた一人でした。
でも、ついて行くことができなかった。

「ブチャラティは、ぼくたちよりトリッシュを選んだ」そう感じたかもしれません。
ぼくたちと共に無事にネアポリスに帰ることよりも、赤の他人である少女を守るために、全てを捨てることを選んだ。
そのように見え、“裏切られた”と感じたかもしれません。

でも、ブチャラティがフーゴを裏切ったわけでもない。
自分の心に従っただけなのです。
前々から、子供に麻薬を流すようなこのパッショーネを許すことができなかった。
しかし父親の件で恩義があるし、部下に対する責任もあるし、このままここで生きて行くしかないのか…と自問自答し続けていたある日、ジョルノと出会う。
そして、ジョルノと共にこれから時間をかけて組織を変えていく決意をしたのですね。
それが、想像以上にボスが邪悪であることを早々に目の当たりにし、予定を変えて即座に裏切ることに決めただけです。
ジョルノが居なければ、下せなかった決断だったでしょう(と言うか死んでた)。

ブチャラティは、ジョルノと出会って自分の中に新しい決意が芽生えたことを、仲間の誰にも話しませんでした。
まさかこんなに早く裏切ることになろうとは思っていなかったのだし、敢えて仲間に話す必要がなかったのは理解できます(危険だし)。

けれどなんとなく、同じイタリア男そして同じ20歳のシーザーを思い出しました。
自分の生い立ち、柱の男は父の仇であること、カーズのために編み出した必殺技には日光が必須だった(夜まで待てない)ことなど重要なことを何ひとつジョセフに語らないまま、彼は一人で戦地に赴き死にました。
ちゃんと説明できてたら…
ケンカにならなければ…
ジョセフと一緒に突入できてたら…
なんて思いますが、これは荒木先生のヒーロー観“ヒーローは孤独。戦うときは孤独。”に収束するのかなぁ。


「戦う」とは、敵とバトルすることだけを意味するのではなくて。
ブチャラティも、ヒーローだった。


もしかすると…フーゴにとって、ブチャラティから思いを聞かせてもらえなかったことが、“裏切られた”ことになるかもしれません。
でもフーゴは、ブチャラティにとって麻薬がどんなに許せないものであったかということ、本当は組織に対して悩みを抱えていたことを、自分の力で気づくことができませんでしたよね?(ジョルノは初対面で見抜いたのに)
そこが原因になっているのでは?
ずっと前から、フーゴの思いは一方通行だった…
先週のアニオリセリフが、顕著に表していたと思います。
(これからもっと組織の上を目指しましょう云々)
だからと言ってブチャラティとフーゴの関係性が破綻していたとか、分かり合えていなかったと言いたいわけではありません。
ジョセフとシーザーだって、そうですよね。
ヒーローは語らない。
ただ、それだけのこと…

この裏切りの場面で麻薬の件まで話は及んでいませんが、フーゴは賢いので、自分とブチャラティの間に確固たる絆がなかった(何かが足りない。思ってたのと違う)と勝手に悟ってしまい、足を踏み出せなかったのかも…

あんなに一緒だったのに…

結論。
誰一人として仲間を裏切ってはいないけれど、
ヒーローは孤独
そして、
ほんの4日前にジョルノという一人の少年が、悩めるブチャラティの心をさらってしまった(魂の救済)
この2点に尽きると、私なりに答えを出しました。


さて、一人ヴェネチアに残されたフーゴはこの後、どうしたのか?
ほどなくして組織の人間たちと合流し、ブチャラティたちを捕らえるための協力を強いられたかもしれません。
彼らを“止められなかった、生きて逃してしまった”ことについて咎められ、もしかすると拷問された可能性もあるような…
その辺はフーゴなら上手く立ち回りそうだな、とは思います。

そのひとつの可能性として、こちらの作品があります。

久しぶりに、ジョジョの奇妙な冒険IIゴールデンハート/ゴールデンリングを読み返しました。

※ネタバレなし

原作と辻褄の合わない箇所が私が気づく限りで3点ありますが、それはそれで置いておくとして、作品は面白いです。

ヴェネチアでブチャラティたちと別れたフーゴが、その後どんな行動を取っていたか、という物語が描かれています。
原作の今後の展開とも無関係なので、アニメ派の方が今から読み始めてもネタバレはないと思います。
こんな寄り道(と言うにはハード)もあったかもしれない、そんなスピンオフ作品。

「ありがとう、そしてさようなら。パンナコッタ・フーゴ」

何より挿絵が多いことが魅力です。


これまでに何度も触れてきましたが、恥知らずのパープルヘイズもおすすめです。
こちらも原作との矛盾…と言うか、原作ファンには受け入れ難い部分が人によってなきにしもあらずかなと思いますが、荒木先生の作品ではないので、当然といえば当然で。
そこは分けて考えましょう。

私は、何度読み返しても最後に泣いてしまいます。
悲しいよ…フーゴ…
ちなみにこちら、2014年に再販されたときに新たに1本短編が追加されてますから、これから中古で購入予定の方はお気をつけくださいね!
トリッシュ、花を手向けるが含まれている方をご購入を。

もちろん恥パは、原作もしくはアニメを最終話まで見終えてから読むべき作品です。
原作といっても、5部だけでなく3部そして4部いや1,2部もなんですがね、特に4部を読破してから楽しんでいただきたいです。
既読の方は何故だか分かってくださいますね(笑)

フーゴは、そいつのことを初めてじっ、と見つめ返した。こんな眼をしていたのか、と思った。なんとなく寂しそうな眼をしていたんだな、と感じた。


フーゴは、ボートに乗らなかったことを後悔したか?
二つの作品では、別々の答えを出していますね。

私の予想では、彼に後悔はないと思っています。
正確に言うと、どんなに思い返してみても、やはり自分には乗らない選択肢しかないという結論に至ったと思います。

ただ、後悔がないことと心の傷は別物で…
自分がもっとバカで、迷いなくブチャラティに命を捧げて死ねたら楽だったろうにな、くらいには考えてそうだなと。
4部最終話の康一くんのナレーションが、心に刺さります。

傷の痛みが 深くあらわれてくるのはこれからなのだろう…
いったい…この「痛み」はどうやって癒せばいいのだろう?
ぼくにはわからない…
町(フーゴ)の未来にとって命取りになるのか
さもなくば いずれ消え去るのだろうか
ーぼくにはわからない





フーゴに関する荒木先生のコメント(ファンまとめ)をどうぞ。
いつからそんなもの履いてるんですかね(笑)
穴が空いてからかな…

どんな深層心理が、そんな恐ろしいスタンドを生み出してしまうのか…
まさにアニメ過去シーンオリジナルセリフでフーゴが言った、「ブチャラティあなたも傷つけてしまうかも」その通りのスタンドです。

えっフーゴも?

頭がいっぱいで、忘れる…
それはナランチャたちもそうだったかもしれません。

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